Interview

店舗スタッフ 芳田さん

年齢
39歳
業界経験
未経験
前職
寿司職人
在籍営業所
新横浜Ⅰ営業所
役職
店舗スタッフ
勤続年数
5年目
初任給
月給30万円
現在の月給
月給38万円

高校卒業を待たず寿司職人の道に。それくらい好きだった

僕は18歳で寿司職人の修行に入りました。高校卒業前からですね。まずアルバイトで入れてもらったんです。

もう小さい頃から魚も寿司も好きで好きで仕方がなくて(笑)。食べるだけじゃ足りずに握りたくなっちゃったんですね。尊敬する職人さんがいるお店に頼み込んで入れてもらった形です。

2年で客前で握らせてもらえるようになって、その頃まだ十九とか二十歳じゃないですか。ただただ嬉しい楽しいだけでしたよ。今振り返っても“好き”のパワーってすごいなと感じます(笑)。

ただ結婚するとそうもいかなくなってきちゃったんですね。早朝6:00には市場に着いて、帰ってくるのは深夜。休みは月に4日。しかも副店長なのに給与は月30万円にも届かない。最初は応援してくれていた妻も「勘弁してよ」と。

同時に先行きが明るいかと言えば、回転寿司の隆盛もあって、よほど名のある大手じゃないと生き残れない時代にもなっていたんですね。

32歳まで14年間。20代全部を捧げた仕事ですから、未練がなかったと言えばウソになります。でも家庭のことや将来の見通しを考えれば、潮時が来たのかなと。思い切って転職を決めたんです。

「自分にできるのかな」  それでも『4C』に入社を決めた理由

その後なぜ『4C』に、というのは、高校時代の親友が紹介してくれたんです。

最初はパソコンの学校に通うつもりでした。何せ寿司しか握ったことのない手ですから、パソコンなんて触ったことさえない。それでサラリーマンになりたいと言ってもどこも雇ってくれない気がしたんです。

ところがその親友に相談したら、「バカだな」と返されて。

「そんなものやりながら覚えればいいんだよ」

聞けば自分はデリヘルでスタッフをしていると。色んな場面でパソコンに触れるから、スキルぐらいすぐに身に付くと言うんですね。

「良かったらウチで働いてみないか」

実は風俗は利用経験さえなかったので、少なからず不安がありました。「自分にできるのかな」と。でも時間、休日、給与、全ての面で妻は賛成してくれたんですね。

またその親友の人柄をよく知っていましたから、「こいつがいる会社なら」とも思えました。おかげさまで面接後すぐに採用してもらえて……。

それからもう6年になるんですね。あっという間です。

まず“言葉”がわからない。それでも“ゼロ”ではないのがこの仕事

入社当初はたいへんでした。今も言ったように風俗自体を知らないから、“デリヘル”という業態の意味さえよくわからない。おまけにそれを調べようにも“ググる”という発想もないわけですよ(笑)。聞くしかない。

ほかにも例えば、待機室から「今日このままじゃお茶だ。『写メ日記』書こ」というキャストさんの声が聞こえてきます。お茶? 写メ日記? さっぱりわかりません(笑)。そんなスタッフじゃ信用されませんよね。だからもう用語から何から覚えるのに必死でした。

パソコンも同様です。同期で入ったスタッフが、初日からさらっとキーボードを叩いている横で、こっちはローマ字入力にも手こずっている。「これはヤバいぞ」と、終業後も家で練習の毎日でした。

でもこういうのって結局、覚えれば良いだけなんですよね。実際努力は報われて、3か月後にはブラインドタッチまでできるようになりました。なかなかでしょ?(笑)

僕が幸いだったのは、電話応対、キャストさんとのコミュニケーション。この辺りはわりとすぐにこなせたんですね。

理由はお寿司屋さん時代の経験です。安い料理じゃないですから、言葉遣いやマナーは10代から叩き込まれました。更にお得意様をつくるのも大切なので、長年の間に自然に話術も身に付けられていて。

つまり全部が全部“まったくのゼロから”というわけじゃなかったんですね。これは僕に限らないと思います。皆さんにだって、業界は未経験でも社会人経験は何かしらあるはず。新人の方はまずそれを活かし、そこから業務の幅を広げてくだされば良いのかなと……。

「必死アピールやめて」  転機になったキャストさんのクレーム

とは言え、昔はその得意なはずのコミュニケーションで失敗したこともありました。

ある日全然お客様が付かないキャストさんがいて、弱ったなと。何とかしてあげたいと思っていたところ、タイミング良く電話が鳴ったんですね。お客様にその方を猛アピールしました。容姿、性格、サービス、日ごろのやりとりで、彼女のことをよく知れているつもりもありました。

無事に成約。なのに当のキャストさんは嬉しそうじゃないんですよ。むしろ不機嫌で、怒られてしまって……。

「あそこまで必死にアピールしてくれなくて良いよ。かえって行きづらいもん」

驚きよりも「そうか」と。すぐにあやまりました。

仕事に対するスタンスは、キャストさん個々でそれぞれということなんです。“これで生活している”という方もいれば、“お小遣い稼ぎ”という方もいる。月に稼ぎたい目標額だってバラバラで。

また「何が何でもお客様を付けて」という方もいれば、「向こうから来てくれたお客様だけで良い」という方もいます。まさに千差万別なんですね。

決して通り一遍に接していたつもりはないんですが、1人ひとりの思いにまで寄り添えていたかと言えば、まだまだだったなと。自分の転機になった出来事でした。

みんな見ていてくれる。給与だって上がる。感謝があるからこそ

そしてこの仕事の良さは、こんな風に努力していれば、結果が出るということなんです。

現にこの後僕のお客様成約件数はより増えたし、何よりキャストさんからの評価も上がりました。“店のどのスタッフが好ましいか”というアンケートで、皆さんが僕を1位に選んでくれて。

いや嬉しかったですね(笑)。「見てくれているんだな」と、やりがいに繋がりました。

課題としては、自分はちょっと欲が足りないんですね。「次は主任になりたい。いつかは店長をやりたい」みたいな気持ちが希薄で、まだ平のスタッフなんです(笑)。

その意味で、寿司を握れていれば幸せだった時代と変わっていないのかもしれません。それにウチは“役職に就かないと給与が上がらない”という制度じゃないんですね。査定月に成果次第で昇給してくれるので、だから立場への欲を感じなかったところもあって……。

今年40歳になるので、そこも少し変えていこうかなと。なぜなら未経験の僕を雇ってくれた会社ですから、すごく感謝しているんですね。自分がプレイヤーとして頑張るのもそうですが、人を育てるのも恩返しの1つなのかなって。そうすることで、もっと深くこの仕事を知れる気もしています。

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